日本が誇るボクシング界のスーパースター、井上尚弥選手。
彼の華々しい試合に欠かせない要素の一つが、入場時の音楽です。入場曲は選手の個性を表す重要な演出であり、井上尚弥選手も試合ごとにさまざまな楽曲を採用してきました。
特に2024年現在の入場曲『Departure』や、過去に話題を呼んだ『バトル・オブ・モンスター』、さらには彼の初期の頃の入場曲など、それぞれにエピソードがあります。
本記事では、井上尚弥選手がこれまでに使用してきた入場曲を振り返り、各楽曲の背景や井上尚弥選手との関わりを詳しくご紹介します。
Departure
2024年現在、井上尚弥選手が最新の試合で使用している入場曲は、佐藤直紀さんの作曲による『Departure』です。
この曲は、木村拓哉さん主演のTBS系ドラマ「GOOD LUCK!!」のテーマ曲として知られ、2003年に発表されました。壮大なオーケストレーションとテンポの速いリズムが特徴で、井上尚弥選手の圧倒的なパフォーマンスを予感させるような曲調です。
井上尚弥選手は過去にもこの曲を使用していましたが、2023年のフルトン戦から再び採用するようになりました。
インタビューで彼は「この曲は壮大で、テンションを一気に高めてくれる」と語っており、特に重要な試合で自身を鼓舞するために選ばれているようです。
井上尚弥選手の試合スタイルと『Departure』の力強さが相まって、会場全体が一体となって盛り上がる瞬間が生まれます。
また、『Departure』は単なる入場曲以上の意味を持っています。
井上尚弥選手のキャリアにおいて、この曲が流れると「勝利への旅立ち」を象徴するものとしてファンに深く刻まれています。
過去の使用と現在の復活により、この曲は彼の象徴的なテーマソングとなっており、井上尚弥選手の名試合を彩る重要な要素の一つです。
バトル・オブ・モンスター
『Departure』の前に井上尚弥選手が使用していた入場曲は、布袋寅泰さんによる『バトル・オブ・モンスター』です。
この曲は、映画『キル・ビル』のテーマ曲『Battle Without Honor Or Humanity』をベースに、井上尚弥選手のために特別にアレンジされたものです。
特に、2019年のWBSS(World Boxing Super Series)決勝でのノニト・ドネア戦で、この曲が使用され、布袋さんがリング上でギターを生演奏したシーンは、ファンにとって忘れられない瞬間となりました。
『バトル・オブ・モンスター』は、井上尚弥選手の強さと試合前の緊張感を巧みに表現しており、まさに「怪物(モンスター)」の名にふさわしい楽曲です。
布袋寅泰さんのギターサウンドが試合前の興奮を一気に引き上げ、井上尚弥選手の試合開始を待ちわびるファンの期待感を最大限に高めていました。
特にノニト・ドネアとの試合では、WBSS決勝という大舞台にふさわしい壮大な演出が行われ、この曲が試合の雰囲気をさらに盛り上げました。
この曲の選曲理由について井上尚弥選手は、「強さを表現する曲が欲しかった」と述べており、彼の戦いに対する意志の強さが音楽にも反映されていることがわかります。
フリーダム
井上尚弥選手がプロデビューからスーパーフライ級チャンピオン時代まで、7戦目までの入場曲として使用していたのが、ワム!(Wham!)の『フリーダム(Freedom)』です。
この曲は1985年にリリースされ、全英1位、全米3位を記録した世界的ヒット曲です。日本でも何度かCMソングに採用されており、親しみやすいメロディが特徴です。
井上尚弥選手の初期キャリアにおいて、この曲は彼の若さや自由な闘志を象徴していました。
プロとしてのキャリアをスタートしたばかりの井上尚弥選手が、無限の可能性を秘めてリングに立つ姿と、『フリーダム』の開放感あるメロディが絶妙にマッチしていました。
特にファンにとっても、この曲は彼の初期の快進撃を思い起こさせる一曲であり、多くの人に愛されていました。
ワム!は、ジョージ・マイケルさんとアンドリュー・リッジリーさんの2人組で、日本では『ラスト・クリスマス』などで知られていますが、井上尚弥選手がこの曲を選んだ背景には、若き日の自分を奮い立たせるための選曲だったのかもしれません。
BIG BANG
井上尚弥選手がオマール・ナルバエス戦で一度だけ使用した入場曲は、BIG BANGの楽曲『BIG BANG』です。
これは井上尚弥選手の入場曲の中でも非常に珍しいケースで、一度きりしか使われなかったため、ファンの間でも特に話題にはならなかったかもしれません。
この曲が使われたのは、井上尚弥選手がスーパーフライ級でWBO世界王座に挑戦した際で、彼のキャリアにおいて重要な一戦でした。
『BIG BANG』というタイトル自体が、試合前の爆発的なエネルギーや、リングでの彼の強さを表現しているように感じられます。
その後、この曲は使われることはなく、『Departure』や『バトル・オブ・モンスター』のように定番化することはありませんでしたが、井上尚弥選手の一瞬の選曲のこだわりが見え隠れする瞬間でした。
まとめ
井上尚弥選手の入場曲は、その時々の状況や試合の重要度に応じて選ばれていますが、共通して言えるのは、彼の精神状態や試合への意気込みが反映されているという点です。
『Departure』は彼のキャリアの象徴ともいえる楽曲であり、『バトル・オブ・モンスター』は試合前の強さを際立たせました。
初期の『フリーダム』は彼の若さと希望を象徴し、そして一度限りの『BIG BANG』はその時の彼の特別な気持ちを反映していたのかもしれません。
これからの井上尚弥選手の活躍がどのような入場曲と共に彩られるのか、ファンとしても楽しみなところです。彼の選曲センスもまた、ファンを魅了し続ける理由の一つであることは間違いありません。
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