日本ボクシング界の「モンスター」として知られる井上尚弥選手は、その圧倒的な強さで世界中のファンを魅了しています。
プロ戦績では無敗を誇り、世界4階級制覇を成し遂げた彼ですが、その実力はアマチュア時代から頭角を現していました。
今回の記事では、井上尚弥のアマチュア時代とプロ戦績の両方に焦点を当て、その驚異的な実績を振り返り、彼の強さがいかにライバルを圧倒しているのかを探っていきます。
井上尚弥のプロ戦績まとめ!
井上尚弥選手のプロ戦績は驚異的なもので、2024年10月時点で28戦全勝(25KO)を記録しています。
\ プロ戦績 /
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
1 | 2012年 10月2日 | 勝利 | 4R 2:04 | KO | クリソン・オマヤオ | フィリピン | プロデビュー戦 |
2 | 2013年 1月5日 | 勝利 | 1R 1:50 | KO | ガオプラチャン・チュワタナ | タイ | – |
3 | 2013年 4月16日 | 勝利 | 10R 1:09 | TKO | 佐野友樹(松田) | 日本 | – |
4 | 2013年 8月25日 | 勝利 | 10R | 判定3-0 | 田口良一(ワタナベ) | 日本 | 日本ライトフライ級タイトルマッチ |
5 | 2013年 12月6日 | 勝利 | 5R 2:51 | TKO | ヘルソン・マンシオ | フィリピン | OPBF東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦 |
6 | 2014年 4月6日 | 勝利 | 6R 2:54 | TKO | アドリアン・エルナンデス | メキシコ | WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ |
7 | 2014年 9月5日 | 勝利 | 11R 1:08 | TKO | サマートレック・ゴーキャットジム | タイ | WBC防衛1 |
8 | 2014年 12月30日 | 勝利 | 2R 3:01 | KO | オマール・ナルバエス | アルゼンチン | WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ |
9 | 2015年 12月29日 | 勝利 | 2R 1:20 | TKO | ワーリト・パレナス | フィリピン | WBO防衛1 |
10 | 2016年 5月8日 | 勝利 | 12R | 判定3-0 | デビッド・カルモナ | メキシコ | WBO防衛2 |
11 | 2016年 9月4日 | 勝利 | 10R 3:03 | KO | ペッバーンボーン・ゴーキャットジム | タイ | WBO防衛3 |
12 | 2016年 12月30日 | 勝利 | 6R 1:01 | TKO | 河野公平(ワタナベ) | 日本 | WBO防衛4 |
13 | 2017年 5月21日 | 勝利 | 3R 1:08 | KO | リカルド・ロドリゲス | アメリカ合衆国 | WBO防衛5 |
14 | 2017年 9月9日 | 勝利 | 6R 終了 | TKO | アントニオ・ニエベス | アメリカ合衆国 | WBO防衛6 |
15 | 2017年 12月30日 | 勝利 | 3R 1:40 | TKO | ヨアン・ボワイヨ | フランス | WBO防衛7 |
16 | 2018年 5月25日 | 勝利 | 1R 1:52 | TKO | ジェイミー・マクドネル | イギリス | WBA世界バンタム級タイトルマッチ |
17 | 2018年 10月7日 | 勝利 | 1R 1:10 | KO | ファン・カルロス・パヤノ | ドミニカ共和国 | WBA防衛1 / WBSS1回戦 |
18 | 2019年 5月18日 | 勝利 | 2R 1:19 | TKO | エマヌエル・ロドリゲス | プエルトリコ | IBF世界バンタム級タイトルマッチ WBA防衛2 / WBSS準決勝 IBF・リングマガジン王座獲得 |
19 | 2019年 11月7日 | 勝利 | 12R | 判定3-0 | ノニト・ドネア | フィリピン | WBA・IBF世界バンタム級王座統一戦 WBA防衛3・IBF防衛1 / WBSS決勝 |
20 | 2020年 10月31日 | 勝利 | 7R 2:59 | KO | ジェイソン・モロニー | オーストラリア | WBA防衛4・IBF防衛2 |
21 | 2021年 6月19日 | 勝利 | 3R 2:45 | TKO | マイケル・ダスマリナス | フィリピン | WBA防衛5・IBF防衛3 |
22 | 2021年 12月14日 | 勝利 | 8R 2:34 | TKO | アラン・ディパエン | タイ | WBA防衛6・IBF防衛4 |
23 | 2022年 6月7日 | 勝利 | 2R 1:24 | TKO | ノニト・ドネア | フィリピン | WBA・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦 WBA防衛7・WBC獲得・IBF防衛5 |
24 | 2022年 12月13日 | 勝利 | 11R 1:09 | KO | ポール・バトラー | イギリス | WBA・WBC・IBF・WBO世界バンタム級王座統一戦 WBA防衛8・WBC防衛1・IBF防衛6・WBO獲得 |
25 | 2023年 7月25日 | 勝利 | 8R 1:14 | TKO | スティーブン・フルトン | アメリカ合衆国 | WBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ |
26 | 2023年 12月26日 | 勝利 | 10R 1:02 | KO | マーロン・タパレス | フィリピン | WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦 WBC防衛1・WBO防衛1 WBA・IBF・リングマガジン王座獲得 |
27 | 2024年 5月6日 | 勝利 | 6R 1:22 | TKO | ルイス・ネリ | メキシコ | WBA防衛1・WBC防衛2・IBF防衛1・WBO防衛2・WBCダイヤモンド王座獲得 |
28 | 2024年 9月3日 | 勝利 | 7R 0:16 | TKO | テレンス・ジョン・ドヘニー | アイルランド | WBA防衛2・WBC防衛3・IBF防衛2・WBO防衛3 |
この無敗の戦績の中で、特に注目すべきは彼の高いKO率であり、全勝のうち約90%がKO勝利という点です。
井上尚弥選手はプロデビュー後、瞬く間に3階級制覇を達成し、その後もバンタム級とスーパーバンタム級で統一王者として君臨しています。
彼のキャリアのハイライトとしては、2018年に行われたWorld Boxing Super Series (WBSS) のバンタム級トーナメント優勝があります。
井上尚弥選手はファン・カルロス・パヤノをわずか1ラウンドでKOし、準決勝ではエマヌエル・ロドリゲスにTKO勝ちを収め、決勝ではノニト・ドネアを判定で下しました。
この大会での活躍により、井上尚弥選手の名は世界中のボクシングファンに知られることになりました。
また、2023年にはスティーブン・フルトンとのスーパーバンタム級統一戦を制し、4階級制覇を達成。
2024年にはルイス・ネリやテレンス・ジョン・ドヘニーといった強豪選手との対戦でも圧倒的なパフォーマンスを見せ、無敗記録を保持しています。
井上尚弥のアマチュア戦績まとめ!
井上尚弥選手はプロボクサーとしても世界的に名を馳せる「モンスター」として知られていますが、その実力はアマチュア時代から突出していました。
彼は小学校1年生のときにボクシングを始め、中学時代には既に全国大会で頭角を現しています。中学卒業後、相模原弥栄高校に進学し、ここでアマチュアボクサーとしてのキャリアを一気に開花させます。
彼はアマチュア戦績として81戦75勝(48KO/RSC)、6敗という驚異的な成績を収めています。
この時代に培われた技術と精神力が、現在のプロでの成功に大きく寄与していると言えるでしょう。ここでは、彼のアマチュア時代の主要戦績と6つの敗戦について詳しく振り返ります。
アマチュア時代の主な戦績
井上尚弥選手は高校1年生の時からすでに全国レベルで頭角を現しており、2009年にはインターハイ(全国高等学校総合体育大会ボクシング競技大会)、国体、そして選抜大会でそれぞれ優勝を果たし、見事に高校三冠を達成しました。
- インターハイ(2009年)優勝:ライトフライ級
- 国体(2009年)優勝:ライトフライ級
- 選抜大会(2009年)優勝:ライトフライ級
さらに、高校2年生の時には初めて国際大会に挑戦し、アジアユース選手権で銅メダルを獲得しています。
しかし、この大会で井上尚弥選手はアマチュアキャリアで初めての敗北を経験しました。地元イランの選手マスード・リギに判定で敗れ、3位に終わったのです。
国際大会での活躍と課題
2010年、世界ユース選手権ではベスト16に進出するも、キューバの強豪選手ヨスバニー・ベイタ・ソトに敗れています。その後、高校2年生のインターハイではベスト8に留まり、井上にとっては苦い結果となりました。
しかし、翌年の全日本アマチュア選手権では見事にリベンジを果たし、初優勝を達成しています。これにより、高校生でありながら日本国内で無敵の存在となり、後のプロキャリアにつながる重要な自信を培いました。
アマチュア時代の6つの敗戦
井上尚弥選手はプロキャリアでは無敗ですが、アマチュア時代に6回の敗北を経験しています。
これらの敗戦は井上尚弥選手にとって大きな学びとなり、彼の成長の糧となりました。
- アジアユース選手権(2010年) vs マスード・リギ(イラン)
- 世界ユース選手権(2010年) vs ヨスバニー・ベイタ・ソト(キューバ)
- キューバの選手に完敗し、0-11の判定負け。ベスト16で敗退。
- インターハイ(2010年) vs 野辺優作(兵庫)
- 高校2年生のインターハイで連覇を狙うも、ベスト8で敗退。
- 全日本アマチュア選手権(2010年) vs 林田太郎(駒大)
- 決勝で敗北。高校生としての限界を感じるも、その後リベンジを果たす。
- 世界選手権(2011年) vs キューバ代表選手
- ベスト16まで進むも、またしてもキューバの壁に阻まれる。
- アジア選手権(2012年) vs ビルジャン・ジャキポフ(カザフスタン)
井上尚弥選手のアマチュア時代の6つの敗戦について読むと、彼の成長過程や精神的な強さをより深く理解できるようになります。
プロでは無敗ですが、これらの敗北が彼にとって非常に重要な経験だったことがわかります。
特に、国際大会での敗北やキューバの強豪選手に苦戦した経験は、井上尚弥選手が世界の壁を感じながらも、自身の課題に向き合い、成長するきっかけになったように思います。
たとえば、キューバの選手に0-11で判定負けした世界ユース選手権では、井上尚弥選手が自分の限界を直視し、より高いレベルのボクシングに取り組むためのモチベーションになったでしょう。
また、ロンドンオリンピックの予選となったアジア選手権での敗北は、オリンピック出場を逃す痛恨の一撃であったものの、これが彼のその後のプロキャリアにおいて燃え続ける原動力となったように感じます。
これらの挫折や失敗を乗り越えることで、井上選手がより強く、より賢くなり、プロでの無敗街道を築くための土台が形成されたことがよくわかります。
敗北を糧にする精神力と、自己改善の意欲が彼の真の強さを物語っていると思います。
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プロ転向へのきっかけ
井上は2012年、ロンドンオリンピック出場を目指してアジア選手権に出場。しかし、決勝でカザフスタンのビルジャン・ジャキポフに敗れ、銀メダルに終わります。
この敗戦を機に、彼はプロ転向を決意。大橋ボクシングジムに所属し、プロキャリアをスタートさせました。
井上尚弥は強すぎてライバルがいない?
井上尚弥選手の強さは今や世界中で知られています。31歳にしてスーパーバンタム級の4団体統一王者となり、その圧倒的なパフォーマンスにより、多くのボクシングファンや専門家から「強すぎる」と言われるまでになっています。
しかし、その強さが逆に彼のライバル不在を際立たせる原因になっているという声もあります。
ライバル不在の背景
まず、井上尚弥選手の次戦として注目されていたサム・グッドマン選手(オーストラリア)ですが、対戦が延期となり、次の相手がまだ確定していません。
代役として有力候補に挙がっているのは、WBO同級2位のTJ・ドヘニー選手(アイルランド)。しかし、この対戦相手についても、ファンや専門家の多くが「結果が見えている」と話しています。
元世界王者である渡嘉敷勝男さんや畑山隆則さんも「井上尚弥選手の強さが他の選手たちを圧倒してしまっている」と指摘しています。
特に、畑山さんは「井上尚弥選手にはライバルがいない」という点を強調しており、歴史的なチャンピオンは必ず強力なライバルが存在していることを考えると、井上選手が少しかわいそうだとさえ感じているそうです。
ドヘニー戦での圧勝
最近行われたドヘニー選手との試合でも、その強さは再び証明されました。
7回TKO勝利という圧倒的な結果でしたが、相手が試合途中で腰を痛めて棄権したことで、井上尚弥選手自身も「不完全燃焼」と感じているようです。
この試合後、次の対戦相手を探すことがますます難しくなっているとささやかれています。
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次のステップは階級アップ?
ファンやプロモーターの間では、井上尚弥選手の次なるステップとしてフェザー級への転向が囁かれています。
スーパーバンタム級では、すでに彼に相応しいライバルがいなくなってしまったという意見が多く、ファンからも「次はフェザー級で挑戦してほしい」という声が上がっています。
ラスベガスでの試合を見据えたプロモーターのボブ・アラム氏も、次戦の候補としてWBOフェザー級王者のラファエル・エスピノサ選手(メキシコ)や、WBA1位のブルース・キャリントン選手(アメリカ)の名前を挙げています。
いずれも実力派の選手であり、井上尚弥選手にとっては新たな挑戦になる可能性があります。
強すぎる井上尚弥選手の未来
井上尚弥選手の圧倒的な強さが、彼のキャリアに新たな試練をもたらしています。
彼がスーパーバンタム級にとどまるのか、それともフェザー級への挑戦に踏み切るのか、ファンや専門家の関心はますます高まっています。
渡嘉敷勝男さんが語ったように、ファンの一部は「スーパーバンタム級ではもう相手がいないから、上の階級に上げてほしい」と感じているのは確かです。
次戦の相手として名前が挙がっているサム・グッドマン選手やムロジョン・アフマダリエフ選手(ウズベキスタン)が井上尚弥選手にどこまで食い下がることができるのか、そして井上選手が新たな階級でどんなパフォーマンスを見せるのか、今後の展開が非常に楽しみです。
井上尚弥選手がこれからも強さを極め、ライバル不在の問題をどう乗り越えていくのか、その動向に注目していきましょう。
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まとめ
井上尚弥選手のキャリアはアマチュア時代からすでに並外れたものであり、その強さはプロ転向後にさらに磨きがかかりました。
プロ戦績では無敗を誇り、4階級制覇という偉業を達成し、現在も圧倒的なパフォーマンスで世界中のファンを魅了し続けています。
彼の強さは、単にパワーやスピードだけでなく、卓越した戦術と試合運びにあります。
そのため、井上尚弥選手に真のライバルは存在せず、彼の名声はこれからも高まり続けることでしょう。
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